北日本新聞:「 浅野さん(黒部 木工指物)現代の名工」

  • 「仕事一筋走り続けた」

 厚生労働省は9日、伝統工芸や工業技術など各分野で優れた技能を持つ本年度の「現代の名エ」を発表した。県内から木工指物職人の浅野博さん(74)黒部市生地経新、浅野ヒッタ家具工業社長ーが選ばれた。10日に東京都内で表彰式がある。

 浅野さんは昭和10年生まれ。えとのイノシシと同じように猪突猛進、仕事一筋に走り続けてきた」と約60年の職人歴を振り返る。家具から仏具まで幅広く手掛け、その技術は各種コンクールなどで高い評価を受けた。

 父が始めた家具店の2代目。太平洋戦争中、疎開で店に来ていた汀戸指物師に習った。婚礼用の家具製造などで腕を磨き、昭和39年に第1回具家具連合コンクールで最高の県知事賞を受賞した。50年代には京都で仏師の巨匠、故松久朋琳・宗琳親子の外弟子として、仏像づくりを学んだ。

 平成16年の第1回全国仏壇仏具振興会コンテストでグランプリを獲得した。 毎朝、エ房に足を運ぶ。「職人は一人前になってから50年の修業が要る。(昭和39年の県知事賞受賞から)50年近くたって、名工に選んでいただいた。生涯をかけた仕事として、れからも走り続けたい」と話している。

(北日本新聞 2009年11月10日掲載)

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